クラウドコンピューティングの分類と選び方ガイド

設計

今回はクラウドコンピューティングについて、その概要と分類について書いていきます。

世界的に有名なクラウドコンピューティングサービスとしては、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azure等が挙げられます。
これらのサービスが実務で使われることも増えています。
また、ここ5年ほどで、情報技術者試験でも、クラウドコンピューティングの概要や分類について知っておかないと解けない問題が出題されるようになりました。

情報技術者試験で問われるレベルの知識がないと会話や情報収集をするだけでも難しくなっており、現代のIT技術者にとって重要な技術となりました。


【クラウドコンピューティングの概要】

クラウドコンピューティングとは、サービス事業者が管理するシステムにインターネットを介して接続することで、目的のサービスを受けるというものです。
月額必要を支払うことで、自社でシステム資源を用意し管理する必要がなくなるというメリットがあります。
可用性等のシステム要件はサービス提供事業者毎に異なり、SLAにより合意します。

クラウドコンピューティングは、仮想化技術によって支えられています。
仮想化技術とは、1台の物理サーバを複数台の仮想的なサーバに分割し、それぞれに別のOSやアプリケーションソフトを動作させる技術のことです。
1台の物理サーバで複数の仮想サーバをコントロールできるため管理が容易になりますが、1台のサーバに処理が集中し競合も起きるため、サーバの利用率やCPUのオーバヘッドは上昇します。


【クラウドコンピューティングの分類】

クラウドコンピューティングのサービス形態は、大きく分けると以下の3つがあります。

■SaaS(Software as a Service)

サービス提供事業者はアプリケーション・ミドルウェア・OS・ネットワーク・ハードウェアを提供・管理する。
利用者はクラウド上のアプリケーションを使用する。
利用者が管理するものはない。
利用者はアプリケーションにおける設定可能範囲内でカスタマイズが可能。
 

■PaaS(Platform as a Service)

サービス提供事業者はミドルウェア・OS・ネットワーク・ハードウェアを提供・管理する。
利用者は、クラウド上で用意されたプログラミング言語・ライブラリ・サービス・ツールを使用し、アプリケーションを実装する。
利用者はアプリケーションを管理する。
利用者はミドルウェアにおける設定可能範囲内でカスタマイズが可能。
 

■IaaS(Infrastructure as a Service)

サービス提供事業者はOS・ネットワーク・ハードウェアを提供・管理する。
利用者は、クラウド上で用意されたインフラ資源を利用し、システムを構築する。
利用者はアプリケーション・ミドルウェアを自前で用意・管理する。
利用者はOS・ネットワークに関して決められた範囲内でカスタマイズが可能。
(OS・ネットワークも完全に利用者が自前で用意する場合もある)


クラウドコンピューティングの分類について、記憶を定着させたり情報を整理するために簡単な表を作りましたので、よろしければこちらも参考にしてみてください。

■SaaS・PaaS・IaaSの概要

※頭文字を取って「SPI」と覚えると、より覚えやすいかもしれません。
 ちなみに、「SPI」は就職試験で使われる有名な適性試験の名前です。  

■SaaS・PaaS・IaaSでの資源の扱い


いかがでしたでしょうか。

クラウドコンピューティングについて、情報処理技術者試験で問われるレベルのことを書いてみました。
現代でインフラエンジニアとして仕事をするのであれば、より深い知識が必要になります。
ベンダー資格も充実しているので、興味があれば学ぶことをお勧めします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました