サービス戦略を考える上では、どのような市場に対してどのようなサービスでアプローチするのかを考えることも重要です。
今回の記事では、アプローチ法を考える上で役に立つ思考フレームワークである「アマゾフの成長マトリクス」について説明していきます。
アマゾフの成長マトリクスは市場と商品に着目して戦略を分類したものであり、これまで進出してきた市場であるか否か、これまで作ってきた商品であるか否かによって以下の4つの戦略に分類しています。
これらの4つの戦略について、例も挙げて以下で説明します。
例は、イメージしやすいように実在する企業の例を挙げます。
(この例については、筆者独自の見解です)
・市場浸透
現在行っている他社との競争に勝つことにより、シェアを高める戦略。
良質なゲームソフトで市場を席捲したファミコン~スーパーファミコン時代の任天堂、ハンバーガーの価格を下げシェアを高めたマクドナルド等の例が挙げられる。
・市場開拓
現状の商品を新しい市場へ売り込むことで成長を図る戦略。
スピード感を感じられるゲームをアメリカに輸出し成功したメガドライブ時代のセガ、医療用流動食を一般向けに売り出し成功した明治の等の例が挙げられる。
・新商品開発
既存の市場に対して新商品を投入して成長を図る戦略。
既存のファミリー層に電気自動車を売り出したトヨタ自動車、ガラケーを愛用する高齢者にガラホを売り出した通信事業者等の例が挙げられる。
・多角化
新しい市場へ新しい商品を売り出し成長を図る戦略。
4つの戦略の中で最もリスキーであり、コアコンピタンスに裏付けされているか否かが他の戦略以上に重要になる。
わかりやすい例として、コアコンピタンスである撮影技術を活かしメディカル分野への医療機器販売を成功させた富士フィルムの例が挙げられる。
いかがでしたでしょうか。
市場へのアプローチを考える上では、自社のサービスを未知の市場に売り出せるかどうか、現在の市場に向けて新サービスを提案できそうかどうか、という視点で考えるのが重要ですし、そのような視点で考える上で「アマゾフの成長マトリクス」は役に立ちます。
筆者自身も、このような視点で議論することで「伝統的な金融機関向けの機関システムについて、外部公開用のAPIを作成し、金融ベンチャー向けに一部機能を公開する」という戦略が生まれた、という実例を見ており、このような視点で考えることの重要性を実感しています。
思考フレームワークについては、あと2回ほど続けて記事を書きたいと思います!
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