ゴンペルツ曲線(信頼度成長曲線)とは?その基本と活用方法

テスト

ゴンペルツ曲線(信頼度成長曲線)とは、テストで発見されるバグ数をグラフにしたものです。
横軸に時間、縦軸に累積バグ数をとる場合、下記のようなグラフになります。

テストを開始した直後は、テスト手順が確立していないため、バグはなかなか見つかりません。
テスト手順が確立した後は、時間が経つにつれて順調にバグが見つかります。
テストが終盤に近づくと、残っているテストケースはテスト困難なレアケースになるので、再びバグを見つけにくくなります。

具体的にいくつのバグが出るかは、プロジェクトの特性によって変化します。
現場毎に、プロジェクトの規模と発見されるバグ数の統計を取り、その統計を元にいくつのバグが出るのかを具体的な数値に落とし込みます。

もし、バグが大量に見つかる(aのケース)ようであれば、テスト開始時点の品質が悪い疑いがあります。
この場合、品質管理者は、バグの原因を確認し、前工程で見つけるべきバグが大量に見つかっていないかどうかを見る必要があります。
前工程で見つけるべきバグが大量に発見された場合は、バグの対応でテストの進捗が悪くなることを防ぐために、もう一度前工程に戻って品質強化を行う必要があります。

また、発見されるバグが少ない(bのケース)ようであれば、テストケースの作り込みが甘い疑いがあります。
この場合、品質管理者は、テストに使われているテストケースを確認し、テストの目的に照らし合わせてテストケースの網羅性が十分かを見る必要があります。
テストケースの網羅性が不十分な場合は、現在のテスト工程で見つけるべきバグが見つからないことにより次工程やリリース後に悪影響を及ぼすのを防ぐため、テストケースの修正を指示する必要があります。

品質管理者には成果物の一つ一つを細かく見る程の時間はないため、上記のような数値管理を行い、プロジェクトの状況を把握しようとします。
(人間の体に例えると、健康診断で数値を出し、疑わしい数値が出た場合に医師が検査を行う、という例えになります)
そのため、作業者としては、正直に数値を出すことで、品質管理者が適切に管理を行えるようにする必要があります。


あけましておめでとうございます!

昨年、何のためにバグ数を報告する必要があるのかと問われたので、今回の記事を執筆しました。
作業者目線では報告はうんざりするかもしれませんが、プロジェクトを円滑に進めるためだということを知っていれば、頑張って報告する気になれると思います。

実は昨年は適当に報告してしまっていた…という方、新年は是非報告も頑張ってみましょう!

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