はじめに
IT業界では、プログラムのリリースや運用作業、緊急対応等で、本番環境で作業を行うことがあります。
本番環境での作業は、一つのミスがユーザに影響を与えることになりかねないので、作業ミスがしばしば問題になります。
今回は、本番環境での作業をミスなく行うために必要な準備・体制について、一般論を簡単に書きます。
下記は一般論であり、スピード感やコストの低さが優先されるシステムである場合や、緊急対応等で時間がない場合は十分な準備ができない場合もありますが、それでもあるべき姿が何かを知っておくことが重要です。
本番作業にあたり必要な準備・体制
1.手順書の作成
本番作業を行うにあたり、手順書を作成する。
手順書には以下の内容を盛り込む。
- 作業の目的を明確に書く
- 作業時の体制を明確に書く
- 誰がどのような立場で関わるのか
- タイムチャートを作成し、作業のタイミングを明確にする
- 作業間に前後関係があるならそれも表現する
- 作業内容は徐々にブレークダウンし、最終的にはコマンドに落とし込む
- 手順書を見れば誰でも作業できるようにする
- 各々の作業についてチェックボックスをつける
- 完了した作業にレ点を入れて作業漏れを防げるようにする
- 可能であれば作業は自動化する
- 人力での作業はスピードが遅く、作業ミスの危険もある
2.手順書のレビュー
作成した手順書について、有識者のレビューを受ける。
指摘があればそれを手順書に反映させる。
3.手順書の承認
完成した手順書を上長に説明し、作業の許可を得る。
(上長は、どのような本番作業が予定され、どのようなリスクがあるのか把握する)
4.本番作業の実施
本番作業は以下のように実施する。
- 手順書の通りに作業する。完了した作業にはレ点をつけ、作業漏れを防ぐ。
- 二人以上の目でダブルチェックを行う。危険な作業では指差し確認も行う。
- 手順書外の作業が必要になった場合は、その場でレビューし上長の許可を得る。
- 作業者の独断で勝手な作業をしてはならない
5.作業の完了報告
作業結果を上長に報告する。
(予定通りに終わったのか。予定通りでない場合はどこが予定通りでないのか。)
6.作業の振り返り
本番作業を行う中で手順の改善点が見つかれば、それを次回の手順書に反映する。
あとがき
実務では、技術力だけではなく、ミスのない作業も求められます。
ミスのない作業を行う上では、個人の注意力を保つだけではなく、準備や体制を整えることも重要になります。
せっかく身につけた技術力を実務で活かすためにも、こういったことにも気を配ると良いでしょう。
株式会社サイゼントでは、即戦力のJavaプログラマーを育てるための書籍「絶対にJavaプログラマーになりたい人へ」をKindleで販売しています。

同じく、Spring Frameworkについてきめ細かく解説した別冊も販売中です。

また、上記の書籍をテキストとして用いたプログラミングスクール「サイゼントアカデミー」も開校しています。
このスクールは、受託開発事業・SES事業である弊社が、新入社員向けの研修で培ったノウハウを詰め込んだものです。

ご興味がある方は、上記画像から個別ページにアクセスしてみてください!
コメント