この記事では、マーケティング用語である「ニーズ」と「ウォンツ」について、事例を交えながら紹介します。
マーケティングに携わる人だけでなく、それ以外の職種の仕事、そして実生活でも役に立つので、是非読んでみてください!
【ニーズとウォンツとは?】
「ニーズ」「ウォンツ」とはマーケティング用語であり、人間が何かを求める時の行動を分類したものです。
それぞれ、以下の意味で使われます。
ニーズ | 生活を送る上で感じる満ち足りない状態 |
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ウォンツ | ニーズを満たすための具体的な手段 |
例えば、「本棚を作るためにドリルを求める」という行動については、ニーズとウォンツをそれぞれ以下のように分類できます。
ニーズ | 木の板を加工して本棚を作っているが、穴が無いために組み付けができない |
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ウォンツ | 穴を開けるためのドリルが欲しい |
第三者から見て、わかりやすいのは「ウォンツ」の方です。
この例では、この人は一見ドリルを欲しがっているように見えます。
しかし、本当に満たしたがっているのは「ニーズ」の方です。
ニーズを理解することができれば、予め穴が開いた木の板が用意されているキットや、オーダーメイドの本棚を組み立てるサービスを提案することができます。手間が省ける分、これらの提案の方がむしろ喜ばれるかもしれません。
このように、人間の行動を「ニーズ」と「ウォンツ」に分類することで、より多様で質が高い提案ができるようになります。
【ニーズとウォンツの事例】
ニーズとウォンツに関して、筆者が知る事例を3つ紹介します。
・婚活市場での男性のアピールの事例
わかりやすいのは具体的なウォンツですが、ここに着目してしまうと競争に巻き込まれやすくなります。
しかし、裏の目的であるニーズに着目すると、競争を避けやすくなります。
婚活市場では、女性は年収の高さを男性に求めることが多いです。
しかし、男性側の視点では、年収の高さでの勝負が難しい人も少なくありません。
ここで、「年収の高さを求める」というウォンツの背景にあるニーズを考えてみましょう。
婚活においては、「安定した結婚生活を送りたい」がニーズであることが少なくありません。
このニーズに着目し、堅実さをアピールすることで、年収の高さでの勝負を避けやすくなります。
客観的な数字である「貯蓄額」や、安定性が高い職業である「公務員」のようなものをアピールすれば、年収が高くなかったとしても婚活を成功させることができます。
・住宅の売買における交渉の事例
交渉時にお互いのウォンツが競合していると、お互いに奪い合いの関係になり、交渉をまとめにくくなります。
そこで、ニーズに着目してウォンツをずらし、競合を解消することで、交渉をまとめやすくなります。
例えば、家の売買では、高く売りたい売り手と安く買いたい買い手でウォンツが競合しがちです。
高額で売買すれば買い手が損しますし、低額で売買すれば売り手が損します。
そこで、お互いの状況からニーズを考えることで、お互いのウォンツをずらして競合関係を解消できる場合があります。
売り手のニーズが「早く資金を手に入れて次の家を購入するための頭金に回したい」、買い手のニーズが「手元にある老後資金をなるべく溶かさずに家を買いたい」である場合、売り手のウォンツを「低額でも良いからすぐに現金化する」、売り手のウォンツを「すぐに代金を渡すことで低額で済ませる」といった形で、微妙にウォンツをずらすことができます。
このように競合関係の解消を解消すれば、「低額の売買代金をすぐに一括払いで支払う」という落とし所で交渉をまとめることができます。
・人気ゲームの販売戦略における事例
人それぞれでニーズは異なりますが、異なるニーズの人々のウォンツを1つの方向にまとめることができると、多くの人を惹き付けることができるようになります。
多くの人を惹きつけることができれば規模を拡大することができ、大きな収益を得ることができます。
例えば、「ポケットモンスター」のような対戦要素がある商業ゲームを成功させるためには、いかに多くの人を惹き付けるかが鍵になります。
娯楽に関して人々のニーズは様々なものがあり、「世界観を楽しみたい」「交流を楽しみたい」「論理的な思考を楽しみたい」といったものがあります。
そこで、「人気キャラクターを用いる」「1人向けのストーリーモードと2人向けの対戦モードを用意する」「適度な運要素を盛り込む」といった要素が含まれた商業ゲームを提供することで、これらのニーズを全て満たし、「その商業ゲームをプレイする」という一つのウォンツにまとめることができます。
このように、様々なニーズに対応することで、多くの人を惹きつけ、売上を伸ばすことができます。
【あとがき】
前回に引き続き、ソフトスキルに関する記事でした。
ブログの書き方についてアドバイスがありましたので、そのアドバイスを元に記事の書き方を改善してみました。
ソフトスキルは重要ですが、それはプログラミングスキルのようなハードスキルが土台としてあってこそ活かされます。
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