デシジョンテーブルを使ったテストケース設定の方法

テスト

条件分岐が複雑な場合、テストケースの設定に漏れが発生して、テストでバグを洗い出しきれなくなることがあります。
そのような場合は、デシジョンテーブルを書いてテストケースを明示的に洗い出すのが有効になります。

デシジョンテーブルの書き方について、例を挙げて説明していきます。
今回も、在庫管理システムの在庫発注処理の例を使用します。
発注するべき条件(在庫切れ、若しくは人気上昇)を満たしている時に、発注関数を呼び出し、発注量や発注日等を計算するという仕様を想定します。
また、最後の発注日から3日以上経過しないと新たに発注できない、という仕様を想定します。
フローチャートは以下の通りです。

この例の場合、以下のようにデシジョンテーブルを書くと、これらの条件からテストケースを洗い出すことができます。
「入力」欄に条件の組み合わせを、「出力」欄に各々の条件の組み合わせの結果を書きます。

発注経過日のように境界値分析が必要になる箇所は、「境界値以下(代表値2)」「境界値と同じ(3)」「境界値を超える(代表値4)」の3パターンを洗い出した方が良いです。
分岐を網羅するだけであれば「境界値以下」「境界値と同じ」の2パターンのみで十分なのですが、コーディングの誤り(IF文の「≧」を「=」としてしまう誤り)で境界値と同じ場合のみ条件が真になるという実装になってしまっていることがあるため、上記3パターンでテストを行うのが無難です。
(本当にこのような誤りを見たことがあります)

また、今回は12パターンのテストケースを洗い出していますが、テストケースが多すぎてテストする時間が取れない場合は、デシジョンテーブルを見ながら不要なテストパターンを抽出するのが有効となります。
今回の例で言うと、発注経過日が3日未満の場合については、在庫切れフラグや人気上昇フラグが発注有無に関与しないことを確認できれば良いので、テストケース2やテストケース3は削っても問題ないでしょう。発注経過日が3日を超える場合についても、前述のようなコーディング誤りがないことを確認できれば良いので、テストケース10やテストケース11は削っても問題ないと思います。

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