WindowsPowerShellでHelloWorld

WindowsPowerShellとは、Windows7以降に標準搭載されているスクリプト言語です。
比較的新しい言語であり、従来のWindowsバッチ(cmd.exe)に慣れていると取っつきにくい面もあるのですが、後発である分高機能であり、実務でも使うことがあります。

今回は、WindowsPowerShellの簡単な説明を添えながらHelloWorldを3つ試してみます。


1つ目は、echoコマンドを用いたHelloWorldです。
WindowsPowerShellでは、従来のWindowsバッチやLinuxのBashシェルに近い感覚で処理を書くことができます。
他には、変数やif文やパイプといった、お馴染みの書き方が可能です。
ちなみに、少し変わった所では、例外処理をtry-catchやthrowといった書き方で記述することも可能です(こちらはjavaやC#に近いです)。

なお、WindowsPowerShellは、セキュリティ上の関係で、標準設定では直接実行することができません。
設定を変えずに実行するためには、一時的にポリシーを変更して実行する必要があります。
(今回の例では、Windowsバッチを介して実行します)

【サンプルコード】

・Hello.ps1

・Hello.bat

【実行結果】


2つ目は、コマンドレットを用いたHelloWorldです。
コマンドレットは、「動詞-名詞(-パラメータ名 パラメータ値)」という規則で命令を記述します。

今回は、”Write-Host”を使用します。
“Write”は文字列の書き込み、”Host”はコンソールを意味します。
(なお、WindowsPowerShellでは、コンソールへの出力とストリーム(パイプ)への出力は別々に制御します。ストリームに出力したい場合は、”Host”の代わりに”Output”を指定します。)

【サンプルコード】

・Hello.ps1

※Hello.batは変更無し

【実行結果】


3つ目は、.NetFrameworkの機能を使用したHelloWorldです。
WindowsPowerShellでは、.NetFrameworkの機能を使用することもできます。
例えば、”Hello World!!”と書かれたポップアップを表示することができます。

今回の例では、コマンドレットでWindowsFormを取り込み、MessageBoxクラスのShowメソッドを使用してポップアップを表示します。
記述方法はサンプルコードの通りですが、クラス名とメソッド名の記述方法はC++に似ています。

【サンプルコード】

・Hello.ps1

※Hello.batは変更無し

【実行結果】


いかがでしたでしょうか。

Windows7の前の時代からIT業界に居た方にとっては、WindowsPowerShellはもしかしたら馴染みが薄いかもしれません。
また、標準の設定では直接実行できない、というのも取っつきにくいと思います。

しかし、コマンドレットや.NetFrameworkによって提供される機能は強力で、実務でもWindowsPowerShellのスクリプトを見かけるようになってきています。
なので、WindowsPowerShellにも慣れておいた方が無難ではないかと思います。

便利な機能があれば、今後紹介していこうと思います!

クラス図とjavaソースの対応一覧

クラス図とはUMLの一種で、以下のような形でクラスの定義と各クラスの関係を表す設計図のことです。

今回は、クラス図で使われる記法とjavaソースの対応について、一覧にしてみました。
参考になれば幸いです。

【クラス定義】

【各クラスの関係】


いかがでしたでしょうか?

クラス図を書かなくともjavaのプログラムは作れてしまうので、情報を伝達したり整理したりするためにクラス図を書かなければならないとなった時に書き方を忘れてしまうことは意外とあると思います。
javaのプログラムに慣れた方であれば、日本語で説明されるよりもソースで説明された方がわかりやすいと思ったので、このような記事を書いてみました。

java:関数を引数として渡す

C#では、こちらの記事のようにdelegateの仕組みを利用して関数を変数として扱うことができます。
例えば、引数と引き渡してコールバック処理を実現することができます。

javaでも、8以降であれば関数型インターフェースを利用して関数を変数として扱うことができます。
以下、サンプルコードです。

【サンプルコード】

・FunctionMain.java

【実行結果】


上記のようにFunction型を用いるのが基本的な形なのですが、いくつか発展的な記法が存在します。

例えば、引数と戻り値が同じ型である場合は、UnaryOperator型を使用することでジェネリクスの表記を省略することができます。
(他にも、戻り値がvoidの場合に適用できるConsumer型、戻り値がboolean型の場合に適用できるPredicate型等が存在します)

また、引き渡す関数をラムダ式で表記することで、関数の定義を省略することができます。

【サンプルコード】

・FunctionMain.java

【実行結果】


いかがでしたでしょうか。

最近ではJava8以降の文法が使われる機会が多く、今回紹介したような関数型インターフェースも使われることが少なくありません。
従来のJavaと比べると書き方が独特に感じるかもしれませんが、慣れておくと実際の案件で困ることが少なくなると思います。

無名クラスとは

javaやC#では、インスタンス変数をnewする際に、後ろに中かっこを記述し定義を行うことができます。
ここで定義されるものは「無名クラス(匿名クラス)」と呼ばれ、クラス名を新たに定義することなく、インスタンス変数のクラス・インターフェースを継承・実装したクラスを定義することができます。
(ちなみに、「ラムダ式」と呼ばれる文法は「無名クラス」を応用したものになります)

以下、javaの例です。

【サンプルコード】

・AnonymousClass.java

・AnonymousInterface.java

・AnonymousMain.java

【実行結果】


いかがでしたでしょうか。

無名クラスは、使い捨てのクラスを作りたい時に便利です。
また、前述のラムダ式等を理解する上でも、無名クラスを理解する必要があります。

javaの入門書には出てくることが少ない文法だと思いますが、javaに慣れたらこの文法も早い内に理解することをお勧めします。

java:標準入出力の入力元・出力先を変更する

javaには
・System.setIn
・System.setOut
・System.setErr
の3つのメソッドが用意されており、これらのメソッドにより標準入出力の入力元・出力先を変更することができます。
これらのメソッドを利用することで、標準入力や標準出力を使用している処理の立ち振る舞いを外から変えることができます。

以下は、標準入力をハードコーディングで与え、標準出力・標準エラー出力を文字列として受け取りファイルに出力する例です。

【サンプルコード】

・SystemInOut.java

・SystemInOutMain.java

【処理結果】

コンソールは入出力無し

・C:\tmp\test1.txt

・C:\tmp\test2.txt


いかがでしたでしょうか。

簡易なシステムやレガシーなシステムだと、標準入出力を入出力とするプログラムが少なくないと思います。
そのようなプログラムに対して、外側から立ち振る舞いを変えられるのは便利です。
例えば、JUnitでテストする時に便利だと思いますし、リファクタリングを行う一つの手段にもなり得ると思います。

役に立ちそうな技があれば今後も紹介していきたいと思います!